ラジコンはなぜ、実車や実機のように複雑な操作ができるのでしょう。
そこにはプロポーショナルシステムという、「おもちゃ」ではなくラジコンに搭載されている制御システムがあります。
この制御システムと操縦者が一体となった時、ラジコンは実車や実機以上のパフォーマンスを発揮することができます、それがラジコンの魅力のひとつです。
ここでは電波とプロポーショナルシステム、いわゆるラジコンの基礎知識にふれてみたいと思います。
ラジコンの基本は電波を利用して模型をコントロールすることですが、なぜ複雑なコントロールができるかということをお話ししてみたいと思います。
スピードや方向ををコントロールするために、必要なのが「送信機」「受信機」「サーボ」ですが、もし「走る」「止まる」「右」「左」だけの動作だけであれば「送信機」「受信機」があればできます。
方向やスピードを調整する場合に、コントロールする人間の意志を伝える役割が「送信機」「電波」その意志を反映させるのが、「受信機」と「サーボ」になります。
このシステムを「プロポ」または、「プロポーショナルシステム」といいます。
プロポーショナルシステムの最大の特徴は「送信機」の操作量に比例してスムーズに操作できることです。
ここがいわゆる「トイラジ」といわれる「おもちゃ」との最大の違いです。
トイラジ | プロポーショナルシステムを採用していないラジコンで、安価であるため、「おもちゃ」としての要素が強い。 |
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ラジコン | プロポーショナルシステムを採用している為、送信機からの複雑操作に対応できるので実車や実機のような動きができると共に、場合によっては実車や実機を超えるパフォーマンスを発揮することもできる。 |
まず、「サーボ」について考えてみましょう。
受信機で受け取った「電波」を機械的な動きに変えるのがサーボの役割です。
アンテナで受信した電波を解析して、サーボに内臓されている「サーボモーター」を動かします。
モーターから、いくつかのギヤ(歯車)を介して、「サーボホーン」を動かします。
「サーボホーン」はスロットル(エンジンやモーター調整)や、ステアリング(方向を変える)にワイヤなどで繋がれていて、その動きで調整します。
もし、サーボに頼らず、複雑な動きを伝えるとしたら、ほぼ不可能に近いと考えて良いでしょう。
送信機だけのセットのありますが、通常は、「送信機」、「受信機」、「サーボ」がセットで販売されています。
キットでは、サーボを取り付け、調整が必要ですが、完成済みフルセットを購入した場合は、受信機とサーボは取り付けられていて、調整も済んでいます。
受信機 | 送信機から発信された電波を受信して、その命令を、サーボに伝える装置 |
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サーボ | 電気信号を機械的な動き(実際の操作)に変えるための装置の名称(名前) |
サーボモーター | 受信機から送られた命令を機械的な動き(実際の操作)に変えるために、ギヤ(歯車)に伝達する役割をする(回転数や速度の変化) |
サーボギヤ | モーターから伝達された動きを、調整してサーボホーンに伝える役割をする |
サーボホーン | サーボギヤから送られた動きを実際に、エンジンやモータ、ステアリング、ラダー(方向)、エレベータ(上昇・下降)へ伝える役割をする。 |
次に「電波」について考えてみましょう
送信機から電波が発信されて受信機で受け取りサーボでコントロールするわけですが、模型をコントロールするために、ラジコンカーであれば「動力の調整」と「方向の調整」が必要になります。
また「ラジコン飛行機」や「ラジコンヘリ」では、「動力の調整」「方向の調整」のほかに「高度の調整」が必要になります。
一般的に「ラジコンカー」は2チャンネル、「ラジコン飛行機」「ラジコンヘリ」は3チャンネル以上の電波を使います。
「1チャンネル・1サーボ」が基本となります。
したがって、操作する機能が多くなれば、コントロールに使用するチャンネル数とサーボ数が多くなります。
電動ラジコンカー | モーターの力で走行するラジコンカー |
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ステアリング | タイヤの方向を変え、曲がる方向を制御する |
ステアリングサーボ | 送信機からの命令を、ステアリングに伝えるサーボ |
ESC | 電気式スピードコントローラの略で、電圧、電流の変化で直接モーターを制御する |
エンジンラジコンカー | エンジンの力で走行するラジコンカー |
スロットル | エンジンの出力(スピード)は、燃料の多さで決まるので、その燃料を調節する装置 |
ラダー | 飛行機の垂直尾翼にあり、飛行機の方向を制御する。船でいうと「舵」と同じ働き |
エレベーター | 水平尾翼にあり、飛行機の上昇、降下を制御する。 |
エルロン | 入門機にはないが、実機や上級者向けのラジコン飛行機の主翼にある。飛行機を左右に傾ける働きをする。 |
では、テレビのように「電波」ではなく、「赤外線」でもいいのではないかとも思われますが赤外線は光なので届く範囲が限られます。
ラジコンの場合、操作する範囲がとても広く、また、コントロールできなくなったら、大きな事故につながります。
そこで、いくつかの電波を利用しています。
利用されている電波は、AM方式・FM方式・PCM方式があります。
AM・FMは、ラジオの電波として言葉を耳にしたことがあると思います。
電波の技術的なことは、さておき、ラジオでもAMよりFMの方が「いい音」で聞こえますね。
それと同じようにAMよりFM、FMの信号をデジタル化したPCMの方がより正確に信号を受信機を介してサーボに伝えることができます。
赤外線 | 不可視光線(目に見えない光)であり、テレビのリモコンなど、狭い範囲のコントロールや、データの送受信に使われる。ラジコンのように広い範囲でコントロールを行なうものには適さない。 |
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AM方式 | 電波の振幅でラジコンに命令をする方法。一般のAMラジオと同じ電波方式。 |
FM方式 | 電波の周波数の変動を利用して、ラジコンに命令をする方法。一般のFM放送ラジオと同じ方式 |
PCM方式 | 電波はFM方式で、その内容をデジタル化した方式 |
送信機には、使用する電波のチャンネル数で、2チャンネルは「ラジコンカー」用、3チャンネルは「ラジコン飛行機」「ラジコンヘリ」用と分けることができます。
また、形から「ホイールタイプ」と「スティックタイプ」に分けることができます。
「ホイールタイプ」はラジコンカー用、「スティックタイプ」は、「ラジコンカー」「ラジコン飛行機」「ラジコンヘリ」と、万能です。
「ラジコンカー」用のホイール式は、「ホイール」を回すことで方向を操作します。 エンジンはスティックにある「スロットルトリム」で操作します。
「ラジコン飛行機」「ラジコンヘリ」用のスティック式は「右スティック」でエンジンを操作し、 「左スティック」で上昇・下降・方向を操作します。
この操作を電気信号に変え、さらに電波に変換されて受信機へ送られます。
右スティック |
上に傾ける:エンジン回転数UP 下に傾ける:エンジン回転数DOWN |
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左スティック |
上に傾ける:機体上昇 下に傾ける:機体降下 左に傾ける:左へ曲がる 右に傾ける:右に曲がる |
ホイール |
右側へ回す:右へ曲がる 左側へ回す:左へ曲がる |
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トリガー |
トリガーを押す:スピードUP トリガーを離す:スピードDOWN |
1 | 送信機を操作する |
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2 | 送信機の集積回路で電波に変換する |
3 | 電波を受信機が受信する |
4 | サーボモーターが動き、各機器を操作する |
この流れがラジコンの基礎となります。
このように、送信機、受信機、サーボは密接な関係にありますので、セットでも販売されています。
動力となる「エンジン」と「モーター」についてお話しします。
ラジコンショップに置いてあるエンジンやモーターは、さまざまな種類があります。
モーター |
ほとんどのモーターが、直流モーターです。 サイズは540と呼ばれる大型のものから、130と呼ばれる小型のものまで6種類あります。 主流は540と呼ばれる大型のものですが、搭載する車体や機 体のサイズに合わせたり、バッテリーのパワーなどに合わせて選びます。 初心者は、搭載が可能ならば「540」が良いでしょう。(写真は540) |
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エンジン |
エンジンは「2サイクルエンジン」と自動車と同じ「4サイクルエンジン」、高価ですが「ジェットエンジン」もあります。 メンテナンスの点から、初心者は「2サイクルエンジン」が良いでしょう。 自動車の場合は、エンジンのサイズを「排気量」で表しますが、ラジコンの場合はエンジンの大きさによってクラス分けをします。 10クラスから140クラスまでです。 ラジコンカーの場合は、21クラスのエンジンが一番大きなものになります。 ラジコン飛行機やラジコンヘリは、30クラス以上のエンジンが主流です。 この違いは、エンジンを搭載する車体や機体によります。 大型のエンジンを搭載するのには、大型の車体や機体が必要になるからです。(写真は90クラス) |
ラジコンは自分の思いのままに操作する(動かせる)というのが、魅力ですが動くということは、「危険を伴う」ということは忘れてはなりません。
操作ミスや故障で「他人に怪我をさせてしまった」「他人の物を壊してしまった」などの事故が発生する場合があります。
ラジコンの最低限のマナーとして「ラジコン保険」の加入して、万が一に備えるということです。
また、エンジンなどの騒音など回りに配慮することも大切です。
ホビーショップシンタニのように、「ラジコンカー用の専用サーキット」「専用ラジコン飛行場」を持つショップもあります。
そのようなところでは、安心して走行・フライトができるでしょう。
住所 : 北海道江別市元江別872-12
営業時間:10:00~19:00
定休日:月曜日
アクセス
中央バス: 江別/野幌/札幌/新札幌より「見晴台」下車すぐ
車:江別西インターより、5分
TEL 011-384-9387
FAX 011-389-3133